PARABELL LIFE

描いた「理想の暮らし」は、自分の力で組み立てる ―― そんなフリーランス・ライフ・ログ。

土砂崩れによる集落孤立も4日目、事態の長期化がもたらすライフラインの限界問題

災害孤立生活で問題浮上

西日本豪雨が引き起こした土砂崩れによって、住んでいる集落から麓へと続く唯一の道路が寸断されたのが、2018年07月07日。

それから4日目の2018年07月10日現在、依然として復旧の見通しは立たず、孤立した集落での生活が続いている。

道路復旧までにかかる日数の見立ても判然とせず、

  • 地元の人の見立て:1週間~1か月
  • 自衛隊による現地調査のコメント:未定

という具合らしい。要するに「見通しは立ってない」の定型句に落ち着く。

集落のある本山町だけでも被害は複数箇所で確認されており、県内~四国全体となればその規模は計り知れない。当然、人手はまったく足りていないはずだ。

この集落では幸いにも人的被害は出ておらず、単純に孤立しているだけで済んでいる。仮に優先順位が下のほうに設定されていたとしても、素直に仕方のないことだと思える。

俺が直接的に被った被害は、大量の雨水が流れ込んで庭が荒れたこと、そして右手の軽傷程度だ。土砂崩れによる孤立は、不便ではあっても即問題とはなっていない。

ただ、このまま道路の寸断が続けば、地味ながら頭の痛くなる問題に直面しそうだ。

道路の寸断によってもたらされる頭の痛い問題

この記事でも書いたとおり、事前の備えと幸運の助けもあって、俺の孤立生活は比較的穏やかだ。ゆるふわ孤立ともいえる。

記事中の写真のように、土砂崩れの現場は平穏とはほど遠いわけだから、これは不幸中の幸いだろう。

さて、比較的穏やかではあっても、何一つとして問題がないとまではいかない。

現時点で顕在化している問題は、

  • 郵便物や宅配便が届かない
  • 買い出しにかなりの気合が必要

このくらいだから、不便ではあっても何とかなる範囲だ。

今後発生するであろう問題には、

  • ガスが使えなくなる(プロパンガスを補充してもらえない)
  • トイレの汚水槽があふれる(汲み取ってもらえない)
  • 深刻な事故に遭うと命に関わる恐れがある(救急車が通れない)

日常生活として頭の痛いものから重大な結果につながりかねないものまである。

これらはいずれも道路の寸断によるもので、ガスや汚水槽にもまだいくらかの余裕はあるとはいえ、孤立が長引けばいずれは現実化する。

せっかくだから、それぞれの問題について個別に状況を説明したい。

郵便や宅配便が届かない

実家から送られた荷物が、通常なら届いているはずの日数を超えても届かない。

配達員の方の安全を考えれば、土砂崩れの現場を越えてまで運んでほしいとは思わない。とはいえ、送ってもらった荷物が届かず、通販も一切使えないのはとても不便だ。

集配所で受け取ろうにも、徒歩での下山となるとその後の足がない。更には、帰りは荷物を抱えて上る羽目になる。

ものが重量物なら、それを抱えて山道を登るだけでもつらい。足元が最悪な土砂崩れの現場を無事に踏破できる保証はなく、リスクは避けるべきだ。

事態は未だ混迷を極めており、復旧や救助、捜索のための人手も足りていないはずだ。俺が不要不毛な二次災害を起こすのは気が引ける。

ただ、しばらくは車の乗り入れが難しいとしても、人と軽めの荷物なら徐々に通れるようになるはずだから、この問題はそう遠くない未来の解消が期待できる。

パラベル

完全に希望的観測だけどね、ぜひそうであってほしい。

買い出しにかなりの労力を要する

買い出しに行くには、土砂崩れの現場2箇所を含む、片道約2.1kmの山道を歩いて下る必要がある。これはほぼ避けられない。

その先には地域の公民館があり、公民館から先は車が通れる状態だから、ここでタクシーか友人・知人などの助けを借りられるならイージーモード。

もしタイミングが合わない、あてがないなどで歩くことになれば、公民館から更に2.2kmほど、合計4.3km歩けばようやく下山だ。遠い。

最寄りのスーパーは下山地点から2.1km、ドラッグストアは2.8kmほど先にある。

幸い最高の条件に恵まれたとして、

  • 往路:土砂崩れの現場2箇所を含む2.1kmを歩いて下山
  • 復路:土砂崩れの現場2箇所を含む2.1kmを荷物を抱えて上る

人の手を借りた上でこれだから、到底楽とは言いがたい。

さて、最悪の条件でも想定すると、

  • 往路:土砂崩れの現場2箇所を含む7.1kmを歩いて下山
  • 復路:土砂崩れの現場2箇所を含む7.1kmを荷物を抱えて上る

明らかに相当な気合が必要だろう。

雨にでも降られたら目も当てられない。正直、できるだけ買い出しには行きたくない。

パラベル

行けば行ったで、それなりに冒険を楽しむとは思うよ。

プロパンガスが枯渇する

山奥は文字通り「都市」ではないから、都市ガスは通っていない。もれなくガスボンベ式のプロパンガスだ。

ボンベは容量が決まっているから、定期的に交換しなければガス切れを起こす。

そしてプロパンガスのボンベはやたらと重い。当然、道路が復旧するまでボンベの交換は期待できない。「土砂崩れを越えてでも持ってこい!」と言えるのは、モンスタークレーマーくらいだ。俺にはとても言えない。

炊飯器と電子レンジ、それからカセットボンベ式のガスバーナーがあるから、ガス切れを起こしても料理だけならさほど問題なく対応できる。問題になるのは、もちろん風呂だ。

これからの季節、風呂が重要になるのは言うまでもない。

お湯が出なければ水浴びか、それが嫌なら集落内で風呂を借りて入るしかない。

山水はとても冷たいから、水浴びは避けたい。かといって毎日のように風呂を借りるのは気が引けるし、何より落ち着かない。

パラベル

ガスは「小姑かな?」くらいにケチって生活してるよ。

ボットン便所の汚水槽があふれる

田舎の古い家にはボットン便所が多い。山奥の家なら、ほぼ確実にそうだろう。

ボットン便所は地下に汚水槽があり、出したものをそこに溜めておいて、自然吸収または汲み取りで処理する。

ちなみに、汚水槽にスマホでも落とそうものなら回収は困難だ。もう絶望しか残らない。そもそも回収する気が失せるはずだから、ボットン便所へのスマホの持ち込みは禁物だ。

自然吸収の汚水槽が残っているのは古いままの家で、うちは簡易水洗に改装されている。要は、満タンになる前の汲み取りが絶対に必要だ。

汲み取りにはバキュームカーという専用の車両が必要だから、道路の復旧は不可欠だ。これには困った。嫌な予感しかしない。

道路の復旧が「見通し立たず」なのだから、バキュームカーも然りだ。これはいかにもまずい。予知能力などなくとも、深刻な問題になるのは明らかだ。

豪雨に見舞われる少し前から、我らが汚水槽は満タンまで秒読み段階にあった。

それに拍車をかけたのが、豪雨の雨水だ。汲み取り口の真上を川のように流れた雨水が蓋の隙間から浸透し、事態を一層、かつ容赦なく悪化させていった。限界は近づいている。

パラベル

このままだとセルフ汲み取りに追い込まれてしまう……頼む、復旧してくれ!

深刻な事故に遭うと命に関わる恐れがある

道路が寸断されている以上、救急隊の到着には平時よりもずっと時間がかかるはずだ。

首尾よく到着したとしても、人を担架に乗せたまま土砂崩れの現場を越えるとなれば、鍛えられた隊員でも危険を伴うのは想像に難くない。

出血が激しかったり、振動が禁物な類の重篤な負傷だったりすると、助からなくなる可能性もあるだろう。

特に刃物や工具による出血の激しい負傷、孤立した集落側での自動車事故、それから下山中の転落や落石などには要注意だ。手遅れになってもおかしくはない。

パラベル

いつも以上にケガをしないように気をつけないとな……。

被害に応じた優先順位があるにしても、早期復旧を望む

今は比較的穏やかなゆるふわ孤立生活だとしても、道路の寸断が長引けば徐々に追い込まれていくのは間違いない。

ほぼ確実視しているのが汚水槽で、次点がガスの枯渇だ。

この2つが顕在化したら、流石に下山して実家にでも避難したくなる。ただし、実家は短期で避難するには遠すぎる。今は車も出せないから、避難するにも何かと不便だ。

広範囲で深刻な被害が出ている現状にあっては、被害状況に応じた優先順位が割り振られるのは当然だ。それは理解できるし、そうしてほしいとも思っている。

思っていても、現実は厳しい。麓へと続く道をできるだけ早く復旧してほしいと、強く願ってしまう。汚水槽が限界を迎える前に。

あれをバケツで汲み取る事態だけは、できれば避けたい。

それとはまた別に、土砂の除去なり落石の撤去なり、素人が参加してもいいなら復旧作業に協力したい。

現場の写真を見返す限り、素人の出番はあまりないような気はするにしても、多少なりとも何かしらの役になら立てるはずだから。

必要とあれば馳せ参じられるように、出動できる準備はしておこう。