PARABELL LIFE

描いた「理想の暮らし」は、自分の力で組み立てる ―― そんなフリーランス・ライフ・ログ。

悪印象の言葉でも、○○系男子と表現してみると何となく許されるような感じになる

○○系男子の不思議な力

今週は酷い豪雨が続いていて、気圧も気分も低調だ。

避難勧告まで出ているし、俺の知る梅雨とはまったく別物だ。似ても似つかない。

ブログを書くのも気が重い、そんな天気だから、気晴らしに雨を眺めながらぼんやりと考えた話でもしよう。

一時期からやたらと流行り始めた、「○○系男子」という表現。恐らく、いや、確実に誰もが一度は聞いたことがあるはずだ。

初めは滑稽だと思っていたし、そんなにいちいち分類してくれるなよ、と微妙な気持ちにもなっていたそれも、見方を変えればなかなか悪くない気がしてきた。

聡明なあなたでも、まだ俺が何を言っているのかいまいちわかっていないと思う。

どうせこんな天気だから、続きを読んでみてほしい。

俺は「草食系男子」という表現が嫌いだ

この言葉からは、込められた意味を何ら感じ取ることができない。

誰得情報で申し訳ないが、俺はそれなりに性欲があるほうだと自覚している。だから草食系男子とはいえない。

ところが、俺は野菜が好きだ。やたらと脂っこいサーロインステーキよりも、丁寧に調理された野菜のほうが好きなくらいだ(ただし、あっさりとした柔らかい肉は最高だ)。

そんな俺は、はたして草食系男子だろうか?

いいや、もちろん違うはずだ。

俺は「性欲があるほうだ」と自覚しているわけだから、草食系男子の要件には当てはまらないだろう。それは間違いない。

ところがどうしたことか、俺は野菜を食べるのが好きだ。

葉物野菜は美味しいし、田舎の直売所はいつも野菜が安く買える。最高だ。

そんな俺は、草食系男子とはいえないのか?

全然わからない。言葉の意味が崩壊していくのを感じる。

チラリと思考の隅をよぎった「雑食系」という言葉が俺を思考の迷路に誘い込んで、出口はどこにもなくなる。

そういうことだ。つまりは、そういう話だ。

仮に男子が女子に変わっても、草食系が別の○○系に変わったとしても、大体においては同じようなものだ。大差はない。

○○の部分を直球にすると、許されるような感じになる

そんな○○系男子・女子でも、○○の部分をよくわからない曖昧な表現からド直球に変えてみると、話は別だ。まったく別の力があることに気づく。

百聞は一見に如かずというから、いくつかわかりやすい例を挙げてみよう。

痴漢系男子

最低であり、犯罪だ。間違いなくクズなのは否定しない。

ところが、単に「痴漢」や「痴漢野郎」と表現した場合と比べてみると、明らかに許されるような感じになる。

もう少し、別の例でも検証を重ねてみよう。

浮気系男子

何となくふわっとした感じになって、不思議と許せるような気がしてくる。

ただし、許されるような感じになるのと、実際に許せるかどうかはまた別の問題だ。

続いてはこの例だ。

無職系男子

一般的にはネガティブなイメージを持つ無職という字面が、得も言われぬ魔力で緩和されてしまう。

緩和どころか、いっそ働かなくても困らないとでも言いたげな、勝ち組の余裕さえも漂わせているように錯覚させられる。

次はどうだろうか。

肥満系男子

何となく、何とな~く、「あり」な気がしてこないだろうか?

いい歳こいてだらしない体型の男に対して、世間は冷たい。それでも、こう表現すればさほど悪い印象は持たない……と思う。たぶん。

もっと刺激的な例を挙げよう。

性欲系男子

ここまでくると、むしろ堂々たるものだと、ある種の雄々しさすら感じる。

肉食系などという遠回しでよくわからない表現を使って煙に巻くくらいなら、馬鹿正直に性欲系でいいと思う。

最後は、より直球勝負系の男子を用意した。

犯罪系男子

字面はそのまま「犯罪」なのに、まるでそんな感じがしない。

どちらかというと、イケメン・高学歴・高収入のような、ステレオタイプな勝ち組を連想してしまう。これは無職系男子と同じ現象だ。

パラベル

ちなみに男子を女子に差し替えると、なぜかにわかに危険な感じになる。

人はどうしても表面上の言葉に惑わされやすい

さて、あなたにはどう感じられただろうか?

大半の否定的な言葉を当てはめてみても、○○系男子と表現すれば不思議と何となく許されるような感じになる。多少の例外はあっても、なってしまう。

人は表面上の言葉に惑わされやすい。面白いほどに。いともたやすく、その本質を見失ってしまう。

だから、言葉の取り扱いにはくれぐれも注意してほしい。この記事を通して俺が伝えたかったのは、そういうことだ。

ところで、俺は野菜が好きだ。葉物野菜は美味しいし、根菜も味わい深い。

俺は草食系男子だろうか?

それとも、草食系とは別種の何かだろうか?

それからそうだ、そもそもの疑問を口にしてもいいだろうか。

30代も半ばの男をして「男子」と呼ばわるのは、本当に適切な、許される表現といえるのだろうか?

俺には、何もわからない。

すべてはこの激しい雨音にかき消され、俺の耳に届くことはないのだから。