
フリーランスや副業をやっていると、収入が複雑化しやすくなりますね。
今日までにいくら収入があって、いつまでにどのくらいの入金予定があったっけ?
件数が増えてくるにつれて徐々に把握ができなくなり、請求漏れや着金遅れを出しまう人もいるようです。
そんな煩雑になりがちな収入状況を整理&完全把握したいあなた向けに、フリーランスの俺が会社員時代から使っている自作の「収入完全管理シート(Excel)」を紹介します。
収入完全管理シートの特徴
このシートの特徴を端的に説明すると、
すべての収入を1シートにまとめて完全に把握できる
まさにこの一文に尽きます。
上に掲載したシートのスクリーンショットを保存し、原寸で確認してみればその意味がわかるとは思いますが、次の項目から具体的に解説していきます。
最初から網羅的な項目を用意
用意してある項目は次のとおりで、いささかくどいくらいに網羅的です。
- ID
- 件名・内容など
- クライアント/相手先
- バトン保持
- 時間数
- 所得種別(給与)
- 所得種別(退職)
- 所得種別(事業)
- 所得種別(不動産)
- 所得種別(譲渡)
- 所得種別(配当)
- 所得種別(山林)
- 所得種別(利子)
- 所得種別(一時)
- 所得種別(雑)
- 申告対象外
- 源徴税額
- 金種
- 着金先
- 日程管理(受注日)
- 日程管理(納了日)
- 日程管理(納期/締日)
- 日程管理(発生日)
- 日程管理(着金予定日)
- 日程管理(着金日)
- 進捗管理
- 備考
およそ必要と考えられるほとんどの項目を用意しており、使う予定のない項目については削除もできます。
例えば「山林所得」に縁がある人は限られるため、そういう場合は列ごと削除してしまえばシートをコンパクトにできます(機能に影響はありません)。
事業所得だけを切り分けたものなど、全3バージョンを用意しています。
着金予定日の接近・超過を色で警告
着金予定日が近づくと、自動的にセルが警告色に変わります。
日を追うにつれて色合いがきつくなるため、着金予定日の接近や超過案件を把握しやすくなり、漏れ防止に役立ちます。
進捗管理欄と完了案件のグレーアウト機能
進捗管理欄はリスト選択式で、次の17種類から選択できます。
- 未着手
- 見積済
- 保留中
- 進捗 - 10~100%
- 締め日待ち
- 請求済
- 着金済
- 領収済
このうち、「領収済」を選ぶと該当行がグレーアウトするため、案件が終了したことも一目でわかります。
画像のように、領収済がマークされると警告色表示を上書きでグレーアウトします。
デフォルトで999件まで対応
デフォルトでは、999件まで対応できる設計になっています。
ただし、多少の知識がある方ならほぼ無制限に対応件数を追加できます。
このシート活用すると得られるメリット
数字が可視化されると、その中に隠れていた色々なものが見えてきます。
自分の収入をしっかり把握できれば、例えば事業の収益性や生活費を見直すいいきっかけになるでしょう。
ここでは、このシートを使って得られる代表的なメリットを紹介します。
ちなみに、友人のフリーランサーはこういった数字での収入管理を実質的にしておらず、未だに独立当時からの借金を清算できていないどころか、むしろ増えました。悲しい。
予定と進捗状況を完全に把握、漏れを防止
バトン所持欄と日程管理欄、そして進捗管理欄を組み合わせて、現状と今後の予定を完全に把握できます。
完全に把握できていれば、それは自然と漏れの防止もできることになり、
- うっかり請求を忘れてそのままだった
- 年度明けまで貸し倒れ案件に気づかなかった
- 相手が止めていると思い込んで、自分が止めていた
こういった後々面倒な事態になりやすいミスの防止にも一役買ってくれるでしょう。
現在の収入を基準に今後の計画を立てやすくなる
買い物に行く場合、ほとんどの人は所持金がいくらあるのか、その店でクレジットカードや電子マネーは使えるのかを気にします。
会計時にお金が足りないとなれば、ものすごく恥ずかしい上に無駄足に終わるのがわかっているからです。
ところが、これが「1年間を通しての財布の中身」になった途端、多くの人がそっぽを向いて成り行きに任せているのが実情です。
この件は、具体例を3つ挙げて説明していきます。
- 年内にいくら稼ぐべきかを計画できる
- 確定申告後に納める税額を予測・準備できる
- ふるさと納税の上限を狙いやすくなる
年内にいくら稼ぐべきかを計画できる
例えば扶養に入っている人、消費税や個人事業税の免税事業者など、一定の閾値を越えないように収入を抑えておいたほうが有利になる場合があります。
突き抜けて稼げてしまえばまだいいとして、微妙にオーバーして引っかかってしまうと納税義務や面倒な手続きが発生するなど、それなりのデメリットがあります。
この収入完全管理シートを使えば、現在までに得ている収入から今後予定している収入までのすべてを一目で把握できるため、今後の計画を立てる際に非常に参考になります。
確定申告後に納める税額を予測・準備できる
フリーランスや副業をしている人なら、原則として確定申告後に各種税金を自分で納める義務があります。
手元資金を確保していなければ納税ができないため、分割払いで納税額が増えたり、借金で納税したり、最悪の場合は税務署の差し押さえを受ける事態を招きます。
これはサラリーマンだけをやっている人との大きな違いですが、知らずに副業を始めたりフリーランスになる人は後を絶ちません。
どうしよう、手元資金がなくて税金が払えないんだが……。
税額は所得の種類と総額によって決まるため、普段から数字を把握しておけば大体の予測を立てられるようになり、予測を立てればこういったありがちな類の悲劇も防げます。
ふるさと納税の上限を狙いやすくなる
例えば2019年のふるさと納税ですが、これはまだ年間所得が確定していない2019年のうちに決済する必要があります。
ということは、現時点の収入がいくらかを知っていなければ、
- 控除の上限を余らせてしまう
- 控除の上限を超えて寄付してしまう
などのリスクが高まります。
ふるさと納税で上限額を超えた場合、超えた分は単なる寄付扱いになるため、節税するつもりのふるさと納税で損をする可能性が出てきます。
この収入完全管理シートに記録や予定を記入しておけば、いくらまでふるさと納税をすればいいのかも試算しやすくなるでしょう。
お金の管理をしっかりしている、と自信を持てる
何だそれ、と思われるかもしれませんが、自分でしっかりお金の管理をしているという意識を持つのはとても大事です。
お金の管理をすることもなく、ダラダラと暮らしている人は大勢います。
そんな大勢の中にあって「しっかりお金の管理をしている」あなたは、この資本主義の世において、それだけで優位に立つための条件を1つクリアしていることになるからです。
クラウド会計ソフトは代用にはならない
マネーフォワードやfreeeなど、クラウド会計・確定申告ソフトは非常に便利であり、俺も使っています。
ただ、あれは基本的に事業収支を帳簿としてまとめるためのものであって、事業として営んでいない収入を含めた網羅的な管理はできません。
この収入完全管理シートなら、あらゆる収入と予定を所得種別ごとに網羅できます。
自分にはいつ・どこから・どういう収入がいくらあって、どれが既に入金されていて、どれがまだなのかなども含め、すべてを把握できます。
また、自分で入力することで記憶に定着しやすく、自然とマネーリテラシーが高まるメリットもあります。
よくある家計簿メモアプリなどと違い、ExcelはMicrosoft社の主力製品であり続けていることから、アプリとして使えなくなる可能性が極めて低いのも強みです。
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ちょっと高いな、と感じられるかもしれませんが、収入の管理ができているかどうかは長期的に見ると大変重要で、時間が経つにつれて大きな差となって表れてくるでしょう。
この機会に、ぜひお試しを!