PARABELL LIFE

ゆる哲学と丁寧の“Co民家”を運営するフリーランス・パラベルのポータル×コラムブログ

会社員時代の象徴でもあるダンヒルの財布をついに手放した

財布を持たない暮らしへ

思い切って財布を手放し、今年から財布を持たない暮らしを始めてみた。

キャッシュレス化が叫ばれる昨今、スマホにもクレジットカードや電子マネー機能が組み込まれ、利用できる店舗は今後も増えていく一方だ。

実際に財布を手放してみた感想はといえば、これっぽっちも不便さを感じていない

会社員時代の象徴でもあった、ダンヒルの財布セット

前職で課長級職位に昇進した際、記念にしようと考えて財布を新調した。

それまで使っていたのはKENZOの財布で、あまりにも使い込みすぎてヨレヨレになり、買い替えの頃にはかなり擦り切れていた記憶がある。

これからは会社関係者の前で財布を出す機会が増えるだろう――そういう都合というか見栄もあって、心機一転の心持ちだったと思う。もちろん、未来への期待も込めていた。

ブランドはDunhill(ダンヒル)を選び、長財布とコインケース、それからカードケースも揃えた一式での購入だった。

アルフレッド・ダンヒルといえば、渋めのメンズブランドとして定番中の定番といわれているらしい。というのは、要するに俺はブランドには疎いのだ。

ダンヒルのラインナップの中でも、「サイドカー」というコレクションの落ち着いた質感とデザインが気に入り、これで固めることに決めた。

そうして気分を高めて管理職の仲間入りを果たしたのも、今は昔の話だ。

最終的に丸4年以上をともにした件の財布セットは、買値の30%査定というそれなりに良い評価で引き取られていった。

化粧箱やギャランティーカードなど、査定の底上げになる付属品を残していたのもさることながら、日頃から丁寧に扱いメンテナンスを欠かさなかった効果も大きいはずだ。

退職~移住を経て、現金の使用頻度が激減した

会社を辞めて高知へ移住し、何もかもが変わった。

環境から人間関係、生活スタイルに至るまで、今やすべてが対極にある。

意外なことに、

  • 東京・三軒茶屋 → 高知・本山町
  • 会社管理職 → フリーランス(個人事業主)

と変わった結果、田舎での現金の使用率は上がるどころか、むしろ大幅に下がった。

それでも既に愛着が芽生えていた財布をどうこうする考えはなく、しかし明らかに使用頻度の下がっていた財布は、いつしか物理的に重く感じるようになっていた。

そう、良い革を使い、しっかりと作られた財布は単純に重い

昔から財布にはカードの類を入れないようにしており、純粋に紙幣と小銭だけを入れていたこともあって、財布の必要性は下がる一方だった。

ようやく財布を手放して身軽になろうと考えられるようになったのは、長らく固執し続けてきたデスクトップPC環境を諦め、モバイルPC環境への完全移行を決めたことによる。

財布を持たない暮らしは、なかなかどうして悪くない

持ち歩くものを増やすなら、何かを手放してバランスを取りたいものだ。

そんなごく単純な発想で財布を手放そうと決めたものの、幸いにも財布のない暮らしに不便らしい不便は見当たらない

田舎町の代名詞のようなこの町にも、キャッシュレスの波は打ち寄せる。大半の決済はクレジットカードや電子マネーで事足りてしまうのだ。

個人経営で現金限定の飲食店はあるものの、そもそも俺は外食の頻度が極端に低いし、普段の買い物からして低頻度と言っていい。

そういう具合で、財布を持たない暮らしはなかなかどうして悪くはない。

ダンヒルの財布は、俺にとって会社員時代の象徴でもあった。それを手放したことに、一抹の寂しさがなかったと言えば嘘になる。

とはいえ、ある種の清々しさを感じたのも事実だ。

荷物とともに心も少しだけ身軽になり、手にしたモバイルPC環境のおかげでフットワークも軽くなった。残響をなびかせて、思い出だけが残っていく。

当時の俺があの財布に夢見た未来は、ついぞ叶うことなく泡沫と消えた。

けれども、今はこうしてまったく別の未来を描き直し、新しい可能性を生きている。